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特集 第8回神経化学懇話会
一般演題および討論
家兎摘出網膜でのアミノ酸および核酸の代謝
Metabolism of Amino Acid and Nucleic Acid on Isolated Rabbit Retina
塚田 裕三
1
,
植村 慶一
1
,
松谷 天星丸
2
Yasuzo Tsukada
1
,
Keiichi Uyemura
1
,
Tenhoshimaru Matsutani
2
1慶応大学医学部生理学教室
2東邦大学医学部第2生理
1Dept. of Physiology, Keio Univ., School of Med.
22nd Dept. of Physiology, Toho Univ., School of Med.
pp.210-218
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904283
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家兎摘出網膜を用い,in vitroで光刺激(light)に対する反応を確かめながら,暗順応(dark)を対照としてアミノ酸および核酸代謝を検討した。
(1)家兎摘出網膜にはグルタミン酸,アスパラギン酸γ-アミノ酪酸が遊離の形で脳切片と同程度含まれるがとくにタウリンの含有量が多かつた。また家兎摘出網膜ではγ-アミノ酪酸,グルタミン酸が能動的に取り込まれ,ouabain添加により抑制された。またグルタミン酸の能動的取り込みについてstereospecificityは認められなかつた。
(2)14C-ブドウ糖から家兎摘出網膜遊離アミノ酸への取り込みは明暗いずれの条件でもグルタミン酸,γ-アミノ酪酸に活発に取り込まれるが,アスパラギン酸への取り込みは低値を示した。また14CO2の産生は光刺激を与えた条件では暗順応の条件より50%抑制された。
(3)網膜には重量当りのDNA量がきわめて高く,RNA/DNAが低いのが特徴的であつた。フェノール法で抽出された高分子核酸への無機32Pの取り込みはとくに核分画に高く認められ,メチルアルブミンカラムではリボゾームRNA附近に,蔗糖密度勾配沈降法では30sリボゾームRNAより重いところにピークが認められた。網膜で早くラベルされる核内RNAの塩基組成はリボゾームのものともDNAとも異なりまた光刺激によりその組成変化がすることが認められた。
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