Japanese
English
特集 第7回神経化学懇話会
シンポジウムⅠ/脳の構成物質
脳組織におけるribonuclease inhibitorの存在とその精製の試み
Partial Purification of Ribonuclease Inhibitor from Rat Brain Tissue
間瀬 桂吉
1
,
阿部 幸子
1
Keikichi Mase
1
,
Sachiko Abe
1
1新潟大学医学部脳研
1Brain Research Institute, Faculty of Medicine, Niigata University
pp.441-446
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904196
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
RNAが脳機能に対し重要な役割を果しているらしい知見が蓄積されつつある。古くは組織学の方で種々の刺激やストレスの際のニッスル顆粒の消失1)2)3),近年ではGeigerら4)の灌流実験の成績,Hydenら5)6)の記憶情報のにない手としてRNAに注目するもの等々。
しかしこれまで脳におけるRNAの代謝に関与する酵素系についての知見はきわめて乏しく,これを明らかにしようとしてまずribonucleaseのRN-Aase)をとりあげ,種々の基本的なことがらをしらべてきた7)。しこうしてRNAaseの細胞内分布をみたところ,脳上清分画のRNAase活性はもっとも低く,のみならず他の顆粒分画にこれを加えるとき,そのRNAase活性を阻害し,また結晶膵RNAase活性にも阻害的に働くことを知つた。この上清分画による阻害は非透析性,熱失活性であることから蛋白性のものと推定し,精製を試みんとした。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.