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特集 第7回神経化学懇話会
シンポジウムⅠ/脳の構成物質
牛脳より抽出される生物学的活性ポリペプチド
Biologically Active Polypeptides Extractable from Bovine Brain
片岡 喜由
1
,
堀 清記
1
,
塩 栄夫
1
,
桝村 純生
2
,
今泉 正臣
2
,
矢原 庄二
2
Kiyoshi Kataoka
1
,
Seiki Hori
1
,
Hideo Shio
1
,
Masaomi Imaizumi
2
,
Shoji Yahara
2
,
Sumio Masumura
2
1京都大学医学部第2生理
2三重県立医科大学生理
1Department of Physiology, Kyto University School of Medicine
2Department of Physiology, Mie Medicai School
pp.447-452
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904197
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中枢神経系には数多くのポリペプチドが存在しており,その中のあるものは非常に強い生物学的活性を示すことが知られている。脳下垂体後葉ホルモンがその代表的な例であるが,その他にsubstance P(SP)も脳に比較的高い含量を示すことが約30年前からEulerらによつて報告されてきた1)。SPは脳と腸管に多量に存在し,主として血圧降下作用,平滑筋刺激作用が著しく,最近になつてそれが13種のアミノ酸から成る分子量,約1,650の直鎖状ポリペプチドであること,ブラジキニンを構成するアミノ酸はすべてSP中に含まれること,さらにN末端からArg,Pro,Proと配列していることなど,化学的にも大分明らかにされてきた2)。一方SP活性は脊髄では前根より後根に圧倒的に多量に,また脳では脳幹神経節,area Postrema,ala cinereaに特異的な偏在を示すこと3),また細胞内分布で神経終末分画に高濃度に回収されること4),各種知覚遮断によつてSP脳内含量が変化すること5)などから,SPが知覚伝達に何らかの関係を有するのではないかと予想されるようになつた。
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