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特集 第6回神経化学懇話会
シンポジウムI/神経組織化学の新分野
神経伝達物質の代謝に関する組織化学的研究
Histochemical Studies on the Metabolism of Neurotransmitters in the Brain
清水 信夫
1
Nobuo Shimizu
1
1大阪大学医学部第一解剖学教室
1Dept. of Anatomy, Osaka University Medical School
pp.486-492
発行日 1964年7月25日
Published Date 1964/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904100
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緒言
末梢神経のシナプスにおける化学伝達物質としてもつとも広くかつ深く研究されて承認を得ているものはアセチールコリンであり,これにつぐものはノルアドレナリンである。すなわち前者は運動神経の神経筋接合部,交感および副交感神経節前線維,副交感神経節後線維において伝達物質として作用し,後者は交感神経節後線維で伝達を営む。中枢神経においてもアセチールコリンは多くのシナプスの伝達に関与するとされており,カテコールアミンおよびセロトニンなども同様な可能性が予想されている。私どもは形態学的立場よりこれらの伝達物質の代謝の脳内の局在を光学顕微鏡的ならびに電子顕微鏡的にあきらかにすることにより,伝達物質とされているこれら物質の脳機能ないし代謝における役割を解明しようと努めている。以下この線にそつて私どもの教室で最近行なわれている研究の結果を主として紹介し批判を仰ぎたい。
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