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特集 第6回神経化学懇話会
シンポジウムI/神経組織化学の新分野
神経組織の組織化学的研究における二,三の問題
Some Problems on the Histochemical Studies or the Nervous Tissue
藤田 尚男
1
,
越智 淳三
1
,
大塚 長康
1
,
藤田 哲也
2
Hisao Fujita
1
,
Junzo Ochi
1
,
Nagayasu Otsuka
1
,
Setsuya Fujita
2
1京都府立医科大学解剖学教室
2京都府立医科大学病理学教室
1Dept. of Anatomy, Kyoto Prefectural University of Medicine
2Dept. of Pathology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.471-484
発行日 1964年7月25日
Published Date 1964/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904098
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近年組織化学や電子顕微鏡が組織学の研究方法に導入されて,組織の超微細構造,化学的構築,あるいは細胞内における各種物質の分布と,それにともなう諸種化学反応の場などが,機能との関連のもとに論ぜられるようになり,数多くの新しい知見が得られるようになつた。神経組織についてもこれらの新しい方法を用いて数多くの問題が解決されたり,解決への方向が示唆されたりして日進月歩の現状にある。ここにわれわれは,今までに行たつてきた神経組織の研究のなかからとくに興味ある二,三の問題を取りあげてみたいと思う。すなわち第1には神経学の根本とも思われる問題として,神経管上皮細胞がいかにして神経細胞や神経膠細胞に分化するか,いいかえると発生途上においては未分化の神経管上皮が神経細胞や神経膠細胞に質的変化をきたすとき,形態学的にはどのような現象を示すかについて3H-thymidineのオートラジオグラフと電子顕微鏡像を中心として論じ,第2に組織化学的に特異な反応を示す嗅脳をとりあげて,そのhistotopochemistryについて考察することにした。
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