Japanese
English
特集 脳血管性障害・II
頸動脈閉塞症—(外科的治療を中心として)
Occlusive Diseases of the Carotid Artery, Especially on Their Surgical Treatments
竹内 一夫
1
Kazuo Takeuchi
1
1虎の門病院・脳神経外科
1Toranomon Hospital, Department of Neurosurgery
pp.511-543
発行日 1961年9月25日
Published Date 1961/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903932
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I.緒言
その原因の如何をとはず,頸動脈の閉塞によつて招来される臨床症状は,閉塞が急性である程,そして完全である程.所謂脳卒中のそれに類似するものである。如何なる部分の動脈閉塞によつても,その流域にあたる各種末梢臓器には種々な変化がみられるわけであるが,頸動脈の場合には,その流域が主として脳であるために,当然一種の脳血管障害(cerebrovascular disorder)として種々の症状がみられるわけである。
現在までのところ頸動脈閉塞症の確診は剖検・頸動脈撮影・手術などによつて下されるので,歴史的にみても動脈撮影法の技術的進歩及びその普及と相俟つて臨床症例数が増加してきた。一方その治療面では,内科的には種々の抗凝固剤及び血管拡張剤の出現によつて,又外科的には各種の血管外科的手技及び代用血管の進歩と相俟つて,急速に多くの神経学領域の臨床家の興味をひく様になつてきた。
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