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1.序文
近年,生化学的分析方法の発達に伴って種々の先天性代謝異常症が発見されてきた。GM1-gangliosidosisもその一つであり,sphingolipidに分類されるものの一つであるganglioside GM1の蓄積する代謝異常症である。gangliosideの代謝異常としては,古くからTay-Sachs病が知られているが,この異常症では当初ganglioside GM2が脳に蓄積するとされていた。しかし最近脳のみならず他の臓器組織にもGM2が蓄積する型のものも発見されてきたため,古典的Tay-Sachs病も含めてGM2-gangliosidosisとして理解されるようになってきた。
一方これと異なるGM1-gangliosidosisでは,主として臨床的見地から二つの型に分類されるようになった。すなわち早期に発症し全身的な症状を示すtype 1と発症がやや遅く主に中枢神経系に限局されているtype 2の2型である。これら2型の生化学的酵素学的な分類についてはまだ問題が残されている。しかしいずれのtypeもβ-galactosidaseの欠損に基づくものと考えられているが,詳細は現在なお明らかでない。
GM1-gangliosidosis is genetically determined disease that is characterized by an accumulation of ganglioside GM1 due to a deficiency of β-galactosidase. From clinical point, two clinical forms are now recognized. In Type 1 (generalized gangliosidosis) the disorder is characterized by early onset, abnormal facies, hepatosplenomegaly, progressive mental and motor retardation, and radiologic bony changes of the type reported in Hurler's syndrome.
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