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Ⅰ.緒言
生体の様々な生理現象の中には24時間を周期とするリズムが存在する(Jores,1935)。このリズムは日内変動(diurnal variation)と呼ばれ,主に生理学的,生化学的な面からいろいろと研究されている(Halberg,et al. 1965)。たとえば,全身的には,血圧,脈拍,肺換気量,血糖値その他であり,眼においては,眼圧の日内変動がよく知られている(Jores,1935)。これらの日内変動を規定する因子の一つとして,血中adrenalinや血中cortisol levelの定量的研究なども行なわれている(Pincus,1943,Wurtman et al. 1967)。一方,神経系においては,たとえば全身の自律神経系を中心として日内変動が研究されている。一般に夜間睡眠時は副交感神経系が,昼間覚醒時は交感神経系がそれぞれ優位と考えられている(Pierach,1953)。自律神経系の機能を測定する方法の一つとして,非接触で,定量的にも正確に測定できる方法に,瞳孔面積および瞳孔反応の計測があげられる。現在まで若干の基礎の研究者たちによって瞳孔径を中心とした日内変動が測定されている。しかしそれらの研究結果は瞳孔径の日内変動の存在をとらえてはいるが,すべて単眼で行なわれ,さらに±10%前後ある測定機による誤差も有し,微妙な変動がとらえにくくデータにバラツキを認める。
Human being as well as animals have been known to have diurnal variations in various parameters within the body. The eye, for example, an intraocular pressure has a diurnal change. The pupillary parameter which is able to be measured from outside without touching is a good indication to investigate whether it will reveal above circadian rhythm or not. There are few reports described the existense of circadian rhythm in the pupillary diameter of one eye.
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