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I.はじめに
躁うつ病者に各種の睡眠障害がみられることは,臨床経験として古くから知られており,症例によって程度の差はあるが,入眠障害,熟眠障害(浅眠),睡眠持続障害(途中覚醒),早朝覚醒など睡眠障害のすべての要素が大多数の症例に認められる。本シンポジアムの主題は睡眠のリズムの問題であるので,本演題でもこのような躁うつ病者における睡眠障害を,睡眠・覚醒リズムという立場から取り上げなければならないのであるが,この方面については,著者自身の経験も十分ではなく,また内外の研究者によっても十分な知見が得られていないのが現状である。
そこで演者は,従来躁うつ病の睡眠について行なったいくつかの研究のうちから,睡眠・覚醒リズムに関連のある資料を取り出し,不十分ながらこの問題についての考察を行なうことにする。
For the study of sleep disturbance in manic-depressive patients, (1) survey of sleep disturbance by using a questionnaire, (2) recording of sleep wakefulness pattern by using a self-recording di-urnal activity chart and (3) polygraphic study of nocturnal and diurnal sleep were performed on patients and normal control subjects.
The above-mentioned studies revealed that insomnia is, in general, more remarkable in depressive than in manic episodes.
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