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はじめに
小脳半球―歯状核が四肢の随意運動の制御に関与することは,臨床病理学的研究,古典的な破壊実験と刺激実験により,1950年代にすでに明らかにされていた。しかし,従来の方法は現象の記載に止まることが多く,運動障害のより詳細な分析を通じ,それを来たす機序を生理学的に追及するには方法上の発展が必要であった。むしろ,半世紀以上も前Gordon Holmes8)による,第一次大戦戦傷患者における小脳症状の優れた観察はこの面での発展の方向を示唆していた。ここで紹介する研究は,V. B. Brooks教授を中心とするグループの行なっているもので,1)サルを,Evartsにより随意運動の生理学的研究に導入されたオペラソト条件づけの手法を用いて訓練し,2)近年開発された冷却機械を使用し,追跡作業中のサルの小脳歯状核を可逆的に冷却し,その機能遮断の随意運動に及ぼす効果を分析したものである。
The effects of cooling the dentate nucleus on tracking-task performance were studied in Cebus monkeys.
1) Monkeys were trained to move a handle between two target zones through a horizontal arc and to hold it for about 1 sec in each zone, with alternate flexion and extension about the elbow joint. Target zones had widths of 10~20 deg. of arc.
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