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脳実質が障害されたとき,それが外傷によるものであれ脳炎であれ逆行性変性であれ,常にいわゆる"反応性ミクログリア"が急激に増加する。また組織破壊がある程度進行した場合にはその一部がマクロファージに変わるという反応が起こる。これは最も基本的な神経病理学的反応形式として広く認められてきたところであって,いまさら説明を要しないであろう。このいわゆる"反応性ミクログリア"を脳内固有の細胞と考えるのがHortegaの古典的学説である。しかし1962年になって神経病理学の研究に3H-TdRによる細胞標識法のテクニックが導入されてから1),このいわゆる"反応性ミクログリア"は血球にほかならないこと,それもほとんど単球の浸潤像といってよいことが明らかになってきた2,3)。この趨勢に対し,Hortegaの古典説に拠って研究を行なっていた人たちはまず,血球の関与はその一部にすぎず脳内固有の細胞もかなりのパーセンテージで反応性ミクログリアないしマクロファージ形成に寄与するという主張をかかげて防戦した4)。
In order to study what kind of cells are proliferating in the brain immediately after the injury, and into what kind of cells they later change, we applied pulse-labeling technique in combination with electron microscopy and Cajal's gold sublimate staining. We injected mice with 3H-TdR between 24 and 48 hrs after stab wound was made in the brain. One group of mice was sacrificed 2 hrs after the final injection, to see what kind of cells are proliferating.
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