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特集 神経病理—第12回日本神経病理学会学術研究会より
一般演題
いわゆるミクログリアの発生と機能と形態の再検討・3—Perivascular CellsのMacrophageに対する役割について
Studies on origin, function and morphology of so-called microglia. Ⅲ. Do pericytes become macrophages in the brain injury?
北村 忠久
1
,
服部 秀雄
1
Tadahisa KITAMURA
1
,
Hideo HATTORI
1
1京都府立医科大学第二病理学教室
1Department of Pathology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.447-451
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903398
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Hortegaのmicroglia theory以来脳マクロファージ―fat granule cell of Gluge―は脳実質内に常在しHortegaの炭酸銀による鍍銀法で染め出し得る細胞―Hortegaのいう"microglia"―に由来するという考えが支配的であった4)。しかし近年Hortegaの概念に沿ったmicrogliaに相当する細胞が電子顕微鏡では容易に同定し得ないこと2,10,15),幼若なmicrogliaの集積とされていたsubependymalおよびsubpialの細胞は外胚葉性のglioblastの集積にほかならぬこと5,6)などmicroglia説には不利な証拠があげられつつある。最近では脳小血管壁に電顕でも同定しうるpericyteこそHortegaの唱えたmicrogliaであろう,つまり脳マクロファージの母細胞はpericyteであるという考えが脳内細胞由来説を唱える人びとの間では有力である8,12,13)。これらの人びとはその根拠としてマクロファージまたはその前段階の細胞が血管壁でpericyteと同じ位置に認められることおよびpericyteは鍍銀法で染め出しうることをあげているようである。
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