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特集 三叉神経系
三叉神経運動ニューロンの皮質性制御
Cortical control of trigeminal motor neurons
久保田 競
1
Kisou KUBOTA
1
1京都大学霊長類研究所神経生理部門
1Dept. of Neurophysiology, Primate Research Institute, Kyoto University
pp.1068-1075
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903684
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はじめに
FritschとHitzigがイヌの露出した大脳皮質を電気刺激した実験で,「運動野」(運動性皮質)が発見された頃(1871)から,三叉神経運動ニューロン註1)に対する皮質からの影響の問題は研究者の興味をひきつけている。
事実D. Ferrierはトリ,ネコ,サルの脳の表面を電気刺激(誘導電流によるfaradic刺激)をして,下顎の上下運動のおこることをみている。興味深いことに,彼は1本の電極を脳表面にあて,もう1本の電極を身体の他の部分にあてて刺激をする場合には,電流が半月神経筋へ直接流れないように注意しないといけないことに気づいている。脳底へ電流が流れやすいようにすると,直接運動神経が刺激されて,運動効果が脳表面刺激でおこったようにみえる(Artefacts!)。だから下顎に対する脳皮質の運動支配をみるには単極刺激より双極刺激の方がよりよいと考えられる(Ferrier)注2)。
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