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特集 メチル水銀中毒症研究の最近の進歩
メチル水銀中毒症の耳鼻咽喉科的所見と平衡機能
Otorhinolaryngological findings and equilibrium in the cases with methyl mercurials intoxication
猪 初男
1
,
水越 鉄理
1
Hatsuo INO
1
,
Kanemasa MIZUKOSHI
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, Niigata University, School of Medicine
pp.932-940
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903673
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I.まえがき
昭和28年に熊本県水俣地区に発生した水俣病は世人の注目を浴び,ジャーナリズムを賑わしたが,疫学的,臨床的,病理組織学的検索の結果工場廃液による水質汚濁が原因であることがわかり,有機水銀中毒による公害病と認定された。
一方,昭和39年8月新潟市近郊の阿賀野川下流一帯に水俣病類似の疾患が発生したが,これも詳細な検索の結果,上流にある工場から出された廃液中に含まれるメチル水銀が川魚を介して濃縮され,この川魚を食べることによって発生した有機水銀中毒症であることが判明した。
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