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実験講座
分泌細胞内Caイオン注入法と分泌顆粒放出の観察法
Techniques of intracellular injection of calcium ions and observation of granule release in a secretory cell
菅野 富夫
1
Tomio Kan-no
1
1北海道大学獣医学部獣医生理学教室
pp.178-182
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903049
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はじめに
機械器具がどんなに精密なものになり自動化されてもそれを使いこなすには各人の創意工夫と修練がいる。生理学の実験には小さな技術のつみかさねが相対的に重要な部分を占めている。細胞1個を直視しながら微小電極を刺し込み,細胞内電位を記録し,電気泳動的にイオンを注入し,分泌顆粒の放出を観察するという実験に付随する技術の細部を書いてみたい。主としてラットの肥満細胞mast cellについての実験技術をのべるが,この実験は一昨年夏に2ヵ月半ばかりYale大医学部薬理でW.W.Douglas教授とともに,D.E.Cochrane氏に技術を伝えながら行なつたもので,結果の一部は発表済のもの4)である。この実験に使つた機械と器具の大部分は前回留学時Einstein医大で培養副腎髄質細胞の実験2)に使用したものであり,Douglas教授がYale大に移つてから移動してきてあつたものである。数年前に私の作つた小さな器具もそのまま保存されており,それらなつかしい小道具にひかれて肥満細胞の実験にも熱中してしまつたという面もある。
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