Japanese
English
特集 神経疾患と脂質代謝
筋疾患と脂質
Lipid metabolism in normal and diseased muscle
高木 昭夫
1
Akio TAKAGI
1
1東京大学医学部脳研究施設神経内科
1Department of Neurology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.575-586
発行日 1973年6月3日
Published Date 1973/6/3
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903522
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筋組織は,通常1〜2%程度の脂質を含んでいる。燐脂質およびコレステロールは,筋細胞のミトコンドリア,小胞体または,細胞膜などを構成する要素であり,骨格筋の興奮,収縮および弛緩の調節に関与している。骨格筋は,また,遊離脂肪酸を酸化し,エネルギー源としていることも,明らかになってきた。
一方,脂肪代謝異常にもとづく原発性の筋疾患は,その可能性を示唆する症例が,近年報告されている。しかし,独立疾患として確立される段階には,到達していないと考えられる。筆者は,数年来,筋疾患の際の脂質の変動につき,関心をもち,研究を進めてきた。現在なお,この分野の基礎的知見が,乏しい事実を痛感している。まず,正常骨格筋における脂質の構成およびその代謝につき記述したい。ついで,病的状態における脂質の変化を論述する予定である。
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