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特集 第8回「脳のシンポジウム」
主題:錐体外路系研究における神経薬理の進歩
黒質新線条体系のモノアミン
Monoamine of the nigroneostriatal system
佐野 豊
1
,
井端 泰彦
1
Yutaka SANO
1
,
Yasuhiko IBATA
1
1京都府立医科大学第一解剖学教室
1Department of Anatomy, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.151-156
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903483
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黒質新線条体系(nigroneostriatal system)に含まれる活性アミンについての正確な裏づけは,Falck-Hillarpの螢光顕微鏡的組織化学を用いたAndenら(1964,1965,1966)1〜5)の一連の研究に負うところが大きい。彼らの研究によると,黒質のzona compactaを主体とするdopamine(以下DAと略す)含有ニューロンは,非交叉性に尾状核と被殻からなる新線条体に突起をおくり,この部の神経細胞に,微細な終末分枝を行なってシナプスをつくっている。この系に含まれるDAの形成と放出は,錐体外路系の機能の発現に対して重要な意義をもち,DAの減少あるいはDA生合成の障害とParkinsonismとの間には密接な関係のあることがEhringer u. Hornykiewicz(1965)7),Sourkes & Poirier(1965)ら13,14)によって認められて来た。そこで,われわれは,黒質新線条体系に含まれるモノアミンについて,形態学の上から検索した結果を報告し,さらにその意義について考察を加えようと思う。
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