Senior Course 生化学
モノアミンオキシダーゼ
正路 喜代美
1
1東大病院中検
pp.233
発行日 1973年2月15日
Published Date 1973/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908000
- 有料閲覧
- 文献概要
Monoamin oxidase (MAO)は常用名で,分類番号1.4.3.4で,系統名はMonoamine:Oxygen Oxido-reductaseという.血清MAO活性に関する臨床的意義が明らかになり,そろそろ日常検査として普及するように思われる.MAOはCuを含むPyridoxa1酵素で,一般に次の反応を触媒する.
R・CH2・NH2+O2+H2OMAO/pH 6,8-7.2→R・CHO+NH3+H2O2
生体内では,肝小葉全般,特に門脈中心静脈周辺や脳,腎などの細胞内顆粒分画中に存在する.生体内では,芳香族アミンを酸化し薬理学的に重要な酵素である.カテコールアミン代謝に関与し,3-Methoxy-4-hydroxy-mandelic acid (VMA)を尿中に排泄するサイクルにも関与しているので,尿中VMA測定は,生体内MAO活性の指標になる.また結合組織中でコラーゲン線維成熟の最終段階の架橋形成に,ある種のMAOが関与することが明らかにされ,血中MAOは,この結合織中のMAOときわめて類似しているといわれる.肝ミトコンドリアにあるMAOと血中MAOとは,基質特異性や阻害作用に相違があり,電気泳動でも移動度が異なる.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.