Japanese
English
特集 シナプス Ⅰ
モノアミン含粒小胞
On the Monoamine-containing Granular Vesicles
越智 淳三
1
,
佐野 豊
1
Junzo Ochi
1
,
Yutaka Sano
1
1京都府立医科大学第1解剖
1Dept. of Anatomy, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.717-724
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903074
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I.はじめに―シナプス小胞の発見
ネウロン,とくにその軸索や終末に見い出される含粒小胞(granular vesicles,granulated vesiclesまたはdense-core vesicles)について述べるまえに,顆粒をもたない,いわゆるシナプス小胞(synaptic vesicles)について若干触れておく必要があろう。この小胞の最初の報告は1954年3月De RobertisとBennett1)によつてFederation Meetingで行なわれ,翌年(1955年)にはJ. B. B. C. に詳細に記載された2)。すなわち彼らはオスミウム酸固定のカエルの交感神経節とミミズのnerve cord neuropileのシナプスの前シナプス部に,直径約200〜500Aのdenseな周囲と明かるい中心をもつ小体を発見し,これを"synaptic vesicles"と名づけたのである。1954年には彼らのほかにもPalade3)とPalay4)もアメリカ解剖学会において,中枢神経内や神経筋接合部の軸索終末に同様の小胞の集まりを報告している。同年さらにEngstromとSjostrand5)も蝸牛神経の終末に,またSjostrand6)は網膜のシナプスにこの種の小胞を見い出しているので,1954年はシナプス小胞発見の年と見なすことができよう。
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