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特集 第8回「脳のシンポジウム」
主題:神経伝達物質研究の進歩
脳切片による中枢伝達物質の研究—尾状核におけるdopamineの作用
Neurotransmitter actions studied in brain slices
山本 長三郎
1
Chosaburo YAMAMOTO
1
1群馬大学医学部行動医学研究施設生理部門
1Behavior Research Institute, University of Gunma Medical School
pp.64-70
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903473
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線状体はdopamineを多量に含んでいる3)。このdopamineが黒質に細胞体をもち線状体に終っているニューロンに起因することはよく知られており8),黒質細胞の損傷が線状体のdopamineの減少とParkinson病を起こし,L-DOPAが治療上有効なことも周知の事実である9,15)。このことからdopamineはこの系の伝達物質であって,その作用も,生理的意義も調べつくされているような印象を受けるが,本当のところまだいわゆる伝達物質であるか否かも明確になっていないのである。本稿では,私が行なった尾状核切片を用いる試験管内実験の結果を中心に,dopamineと尾状核をめぐるいくつかの間題を論じてみたい。
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