Japanese
English
特集 シナプス Ⅲ
脳伝達物質の遊離
Release of Chemical Transmitters in the Brain
山本 長三郎
1
Chosaburo Yamamoto
1
1群馬大学医学部行動医学研究施設
1Behavior Research Institute, University of Gunma Medical School
pp.878-884
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903090
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交感神経節や端板では,伝達物質もほぼ確定され,伝達物質の遊離についても充分な研究がなされている。一方中枢神経系では,記憶の機序の解明にからんで,シナプスの効率—伝達物質の遊離の増減—の問題が注目されているが,方法上の困難もあつて,わずかな研究が行なわれているにすぎない。その中では,久野13,14)の実験がとくにすぐれている。彼の目的は,1)脊髄でも,端板でみられると同じように,伝達物質のある程度の量のまとまり(quantum)が単位となつて前シナプス線維終末から放出されることを明らかにし,2)1個の神経衝撃によつて1個の終末から遊離されるquantumの数をきめ,3)いわゆるシナプス前抑制が,これまで仮定されているように,終末から放出されるquantumの数の減少を伴うことを証明することであつた。
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