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特集 第6回脳のシンポジウム
主題—ウイルス感染と神経系(いわゆるslow virus infectionの考え方)
サイトメガロウイルス感染症の小児における血清疫学,ことに脳障害児との関連
Sero-epidemiological Study on Cytomegalovirus Infections in Children with Special Reference to the Mentally Retarded
藤井 良知
1
Ryochi Fujii
1
1東大分院小児科
1Tokyo University Branch Hospital Department of Pediatrics
pp.490-492
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903264
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サイトメガロウイルス(CMV)感染症がウイルス学的に検討されなおしたのは比較的最近のことであり,日本では私たちの研究グループが1965年小児の尿からはじめて分離に成功し1),NIHのSeverより私あて分与されたCMV(Ad−169株,Davis株)を医科研に托してから血清学的検査も広く行なえるようになつたのであるが,比較的取り扱いが難しいウイルスであるためその研究の進歩は必ずしも速やかでない。
本文では主として知能障害との関係を取り扱うため先天感染に限定することになるが,先天感染症の代表的疾患であるCMV感染,風疹,トキソプラスマ症,梅毒などの臨床像には多分に共通するものがある。その一つには脳障害をおこす可能性があり,たとえ死をまぬがれても正常の生活が営めない欠陥者となるところから甚だ重視されるようになつた。
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