Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題—脳死をめぐつて
脳・神経外科の立場から見た「脳死」についての所感
Neurosurgical Aspect of "Brain Death"
都留 美都雄
1
,
阿部 弘
1
Mitsuo Tsuru
1
,
Hiroshi Abe
1
1北海道大学医学部脳神経外科学教室
1Neurosurgical Department, Medical School of Hokkaido University
pp.50-52
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903098
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従来,死は不可逆的な心停止および呼吸停止,あるいは,病理解剖学的徴候たとえば死斑,死後硬直,腐敗などによつて診断されてきていた。
私どもの専門とする脳神経外科学の分野とくに脳の各種の疾患の場合において,脳が全くかあるいはほとんど全く,その活動を失なつたと見られる場合においても,最近の進歩した蘇生術により,心拍あるいは呼吸を持続することが可能となり,いわゆる動物実験におけるLungen-Herz Preparatに似た状態あるいはvegetableの状態で,長時間「生存」させることが可能であることは多数の人々によつて経験されているところである。
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