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期日 昭和30年3月31日(木)
場所 大阪大学医学部附属病院4階西講堂
1)パルス巾変調法による脳波の磁気記録再生法とその相関係数計算器その他への応用
Information TheoryのEEGへの応用として,EEG記録より一歩を進めて,或るinformationをcomputerで計算し,一つの量として指示させる研究は既に糸川—清水によつて麻酔深度計に応用されたが,茲では相関係数及びペリオドグラム用の計算指示器について述べる。
先ずEEGのstorage systemとして磁気テープを用い,パルス巾変調による記録再生を行う。1000cpsの基準短形波とEEG signalでmono-stable発振器によつてパルス巾変調し,20V前後の入力に対して20〜70%の変調記録をlinearに行うことが出来た。再生はmagneticheadでpick upされる微分波を2段増巾し,noise-limitterで基線の雑音を押え,Flip-Flop回路に導いて原矩形波に戻し,この面積を積分回路で求めて,原電圧を再生する。この再生特性もよいlinearityをもつことが確められた。自己相関係数を求める場合は同一テープから2カ所のheadでP.U.し, cross-correlationのときは二コのテープからP.U.する。原電圧に再生した後,3極管直列接続の定電流特性を用いた乗法回路に導き,次に積分回路で積分し,60秒の平均をとつて相関係数をメーターに示す。60秒の周期は1000cpsの逓降回路をデカトロンで得た。ペリオドグラムを自動的に求めるには,先ず原波形を微分し,之を矩形波にして再微分して正負のパルスを得,負パルスを整流回路で除去して正パルスのみを残す。この正パルスの間隔が,求める波一つ宛の周期に相当する。パルス時間回路は,鉅歯波発振器によつて鉅歯状波の最後の高さによつて電圧化される。この電圧化さた周期量を多数のlimitte回路に入れて組分けし,ペリオドグラムが得られる。
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