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特集 脳のシンポジウム
特別講演
筋紡錘支配の2〜3の原理
Some Principles of Spindle Control
Ragnar Granit
1,2
,
本間 三郎
3
Ragnar Granit
1,2
1カロリン研究所
2ノーベル神経生理学研究所
3千葉大学医学部生理学教室
1Karolinska Institute
2The Nobel Institutc for Neurophysiology
pp.3-6
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903091
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筋紡錘なる筋受容器は,神経によつて支配されているが,この役割は伸展反射を述べることによつて説明される。LiddelとSherringtonは1924と1925年に,除脳ネコをつくつて伸展反射の機構をよく説明してくれたのである。われわれが直立しているために,もし筋が伸ばされるとただちにこれに対抗する力が誘発されるという伸展反射,現代流にいえば負のフィードバック機構の働きによつているのである。当時は筋の伸びを感覚する筋紡錘,これを支配する紡錘運動ガンマー神経についてはなんらの知識もなかつた。
SherringtonとLiddelは,正常人について,この伸展反射を誘発し難いのに,臨床家が病的なときこれを誘発しているのを理解できなかつたのである。最近に至り,HagbarthとEklund(1966)は筋を振動させると伸展反射が誘発されて筋は収縮する。しかもその状態でさらに筋を伸ばすと正常人では普通得られない伸展反射による張力発生をみたのである。これまで除脳ネコで,伸展反射が亢進していることをみてきたが,これはガンマー環が活動したためで,振動によつてもこれと同じ結果として第1種終末の発射が誘発されたのであるとした。
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