第2回神経病理懇話会 脳炎・膠質細胞
追加討論
猪瀬 正
1
1横市大神経科
pp.133-134
発行日 1962年3月25日
Published Date 1962/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901878
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封入体脳炎の組織化学,大変興味深くうかがいました。私も,たまたま三重大学の症例を,教室の津田君とみたのでありますが,第1図のように,核内封入体と,細胞体内封入体が同時に1個の神経細胞に見出される場合がありました。この際の胞体の封入体はエオジンで等質性にうすめに染まつている。しかし,そのほかに,きわめて鮮かなエオジノフィリーを呈する細胞体に,しばしば遭遇しました(第2図)。そして,それは顆粒状を呈して,等質性ではない。KrückeはeosinophileDegenerationと記しているが,これは,それに該当するのではないかと思う。検索された症例でこのような所見を御覧になられたかどうか伺いたい。また,皮質には,細胞体外に,エオジンで等質性に染まる小体をみることがしばしばであつたが,そのような小体の組織化学所見を御教示願いたい。
山本達也(東大脳研)猪瀬教授のところから,標本展示に,封入体脳炎の1例というのが出されており,ぜひ私どももじつくり拝見させていただきたいと思つているが,今スライドを見せていただいた限りでは,特に最後の扇状の神経細胞に似たものは封入体脳炎の揚合に比較的しばしば見出されるように思う。これは先ほどスライドにも出しましたが,おそらく,いわゆる胞体内の封入体ではなかろうかというふうに老えている。ただ,ヘルペスの場合には,私どもの見ました範囲では,こういう胞体内のものは見つけ出すことができなかつた。
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