特集 病識〔精神病理懇話会講演および討議〕
―DISCUSSION―<付>討論および追加討論(2)
pp.120-121
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200529
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2.特集(2)に対する討議
小此木 石川氏のいわれる「病識とは,全人格的反省に通ずる」という意味は,西園氏のいわれた「病識は,洞察の一形式である」との見解と一致すると理解してよろしいのでしようか。
石川 私は神精分析でいう洞察はわれわれの病識に,概念としては非常に近いと思う。しかし洞察の理論的背景や,実際の治療場面でそれを導出する方法は,われわれの病識の場合とは大いに異なつている。そのためか,個々の症例報告のなかで,分析医が「洞察」とよんでいる事態は,われわれからみれば部分的病識とみなすべき場合が多い。
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