特集 錐体外路系・I
パーキンソニスムに対するChemopallidectomyとChemothalamectomy
Irving S. Cooper
1,2
,
Gonzalo J. Bravo
3
,
Norman W. Davidson
4
,
Riklan Manuel
5
,
Nicolas Poloukhine
6
,
林 東輝
6
,
奧村 修三
7
Tung Hui Lin
6
,
Shuzo Okumura
7
1Research Surgery, New York University-Bellevue Medical Center
2Department of Neurosurgery, St.Barnabas Hospital
3Neurosurgery, New York University-Bellevue Medical Center
4Medicine, New York University-Bellevue Medical Center
5St.Barnabas Hospital
6Neurosurgey, St. Barnabas Hospital
7岡山大学陣内外科
7Research-fellow in Neurosurgey, St. Barnabas Hospital
pp.914-924
発行日 1959年9月5日
Published Date 1959/9/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901714
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第1章 緒言
われわれは1952年10月より1958年7月の現在までに約800例の不随意運動症に対して,大脳基底核の手術をおこなつてきた。このうち最初の50例は前脈絡動脈の結紮3)4)によるものであり,残りの750例はアルコール注入によつて蒼球,または視床の部分的破壊をこころみたものである。このアルコール注入による手技を,われわれはchemopallidectomy,chemothalanlectomyとよんでいる。その手技の詳細については他の報告(Cooper,Cooper1)5)6)7)8)等)にゆずり,この報告では,主としてわれわれがこの手術をパーキンソニスムに対する最も有効な治療法とみとめるにいたつた経過,手術成績,手術適応等についのべてみたい。ここでのべる成績の対象となる患者群は,全例約800例のうち,パーキンソニスム以外の不随意運動症50例,パーキンソニスムではあるが前脈絡動脈結紮術のみをおこなつた50例を除外した700例と,それに対照として非手術例約1,000例を引用する。この非手術例は,われわれの診察をうけたが,手術不適当または社会的,経済的理由で手術をおこなわなかつたものである。なお手術施行例の年齢は34才より75才まで,その算術平均は50.4才,男女比はほぼ2.5:1となつている。
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