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緒言
脳波を論じるには多数の要素があるが,そのうち最も重要な要素の一つは週期である。この週期だけをとりあげてみても多くの成分がふくまれている。そのうち普通の閉眼安静時の脳波では割合規則ただしく約1/10秒の週期をもつ波が有力である。この波に対して,脳波の最初の記載者であるBerger1)はα波の名をあたえ,更に週期の短いβ波と区別した。その後Walter2)は脳腫瘍患者の脳波を記載するにあたり,上述のα波より週期の長いものをδ波とよんだ。また更に後になつてWalter3)等はこのδ波のなかからθ波とよぶべきものを独立させ,4〜7サイクルの波をθ波,1.5〜3サイクルのものをδ波とし,この二つの波は脳腫瘍の紅織の影響による新陳代謝障碍に関係あるものとした。このようにしてα,β,δ,θ波等の名が脳波の記載にあたり一般的に使用されることとなつた。
しかし一方主として米国の一部の臨床家4)のようにこのα,β,δ等の記載をとらず,単に10サイクルの波,5サイクルの波といつた様にしかよばないものもある。このことは,前の記載方法をとることはこれらの波は夫々本質的にことなるもの,すなわちこれらの波の発生源となる組織そのものかまたはその組織の活動状況がことなつたものであることを是認しなければならないとするのである。
The transition of the frequency of alpha wave was examined on 36 cases; those cases had demonstrated normal or subnormal EEG. on preoperative examinations, and underwent extirpation of cranial tumour, excision of affected cerebral region, simple craniotomy etc..
1) The frequency of alpha wave reduced for 2,3 or 4 days, and recovered gradually in the course of 2 or 3 weeks after an ag-gression.
2) Those transition of the frequency were continuous, and minimum frequency were about 6 cycle per second.
3) In some cases normal frequency alpha waves appeared in the recovering stage of the transition ahead of recoveringthe mean frequency.
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