特集 第1回国際神経学会展望・3
序に代えて
吉井 直三郞
1
1大阪大学第2生理学教室
pp.3
発行日 1958年9月1日
Published Date 1958/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901655
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1957年7月ブラッセルで開かれた第1回国際神経科学会は神経学の研究に関連する6つの国際的な学会の合同したものであり,このような試みはこれまでになされなかつたばかりでなく,第2回が今後いつ開かれるかわからないと云う大きな綜合学会であります。私は吾が国の数種の学会代表として学術会議がらこの綜合学会に出席を命ぜられ,帰国後一通りの報告を済せた(日本医事新報第1748号,生体の科学,第9巻1号に公表)のでありますが,この学会の内容をくわしく関係者に伝えることが出来るならば,吾が国のこの方面の研究を進める上に多くの利益がもたらされると信じ,機会ある毎に私が理解したところを学会其の他で申上げてきました。今回医学書院から「神経研究の進歩」誌では「錐体外路系,意識障害」や「脱髄疾患」の各シンポジアムについては夫々の専門家によつてその状況をくわしく報告されるよう既に計画を進めておられ,癲癇及び脳波関係のシンポジアムは私が適当にまとめて出して欲しいと相談されました。しかも締切までに1カ月半しか余裕が与えられない事情でありました。私は初めのうちはお断りしていたのでありますが,あとでこれは私が出発するときから既に約束されている筈の私の義務であると考えるに到つたので,承諾いたしました。そして春の学会前の多忙なときでありましたが,教室員や小沢外科の友人にお願いして約束の期限より余りおくれることなく,一応まとめることが出来ました。
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