特集 第1回国際神経学会展望・3
国際癲癇対策連盟第8回総会(1957年7月)報告
笹部 哲哉
pp.4-11
発行日 1958年9月1日
Published Date 1958/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901656
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A.E.Walker:前書き
数年前迄は,癲癇の分野にある研究者達は大脳皮質に注意を注いだ。人及び動物の皮質放電の特徴及び諸要素が研究せられた。局所的皮質活動に関係のある臨床像は精密に記載せられ,大脳皮質内にある機能の局在も注意深く地図が作られた。
然し経験を積むに従つて,癲癇は単に皮質活動のみならず,皮質下の関与が大であつて多くの痙攣放電の始発に本質的な要素であることが漸次明白となって来た。従つて癲癇放電に,基底構造が参加しているかどうかを決定するという目的だけではなく,焦点性の時でさえ,皮質下に始まるかも知れぬ発作の源を見付ける目的に於ても深部脳波を記録するということが大切である様に思われる。
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