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特集 第1回国際神経科学会展望・2
多発性硬化症と脱髄疾患
Douglas McAlpine:多発性硬化症における家族性発病と遺伝的因子
Familial Incidence and Role of Hereditary Factors in Multiple Sclerosis.
山本 英夫
1
1東大冲中内科
pp.644-647
発行日 1958年4月30日
Published Date 1958/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901634
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〈本問題は英国のDouglas McAlpineによつて講演されたが,かかる研究が当然直面しなければならない多発性硬化症のdiagnostic criteriaという問題に対しても氏は慎重な考慮を払っている。〉
多発性硬化症に対して多大の関心が殆んど一世紀以上にわたつて払われているにも拘らず,この病気の家系内発生傾向が一般的に認められて来たのは最近10年の事である。この理由には色々あるが,遺伝性失調症や痙性麻痺についての先入感があつた事,過去に於ける家系内発生の報告例が稀であつた事,従つてこの問題についての関心がうすかつた事などがあげられよう。然し乍ら文献上には,Eichhorst(1896)が母と息子にみられた多発性硬化症を報告して以来,家族内におこつた明らかな多発性硬化症例の報告が見出される。
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