Japanese
English
特集 脳腫瘍
腦腫瘍の診断(Isotope)
Location of Brain Tumors by Means of Radioactive Isotope
森安 信雄
1
N. Moriyasu
1
1日本大学若林外科
1Department of Surgery, Nippon University
pp.283-289
発行日 1957年10月5日
Published Date 1957/10/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901593
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脳腫瘍の診断にIsotopeを用うる方法は,使用するIsotopeの性質により二通りに区別される。その一つはI131やAs74を利用する方法で,何れも透過度の強いγ線を放出するため,腫瘍組織に集中したI131やAs74の出すγ線を頭器の外から測定することによつて腫瘍の局在を決定出来る。この方法は従つて脳室撮影や脳血管撮影による腫瘍の局在診断と軌を一にするものである。他の方法はP32を利用するやり方で,P32は透過度の弱いβ線を放出するので,脳腫瘍剔出術の場合腫瘍組織と正常脳組織との正確な境界範囲を決定するのに役立つ。
I131による腫瘍の局在決定は1948年Mooreにより,又P32による腫瘍の境界決定は1949年Selverstoneにより最初に報告されたが,爾来幾多の追試が発表され,これ等の方法に対する批判もまちまちである。私もI131及びP32を用いて脳腫瘍の診断を行つてみたが,その症例は20例に過ぎないので,自已の成績からIsotope診断の価値を云々することは不可能である。従つて主として文献的考察の上に多少の批判を加えるに止めたい。
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