特集 循環機能の正常値
isotope clearance法
平井 正文
1
1名古屋大学分院外科
pp.745-746
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204049
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isotope clearance法により血流量が測定される。つまり,isotopeを動脈内あるいは局所に注入し,その除去されるスピードから血流量が計算される。前者の方法においては脳,腎,腸管などの血流量が,後者においては皮膚,皮下脂肪,筋の血流量測定が報告されている。後者は,主として末梢循環障害の把握や病態生理の研究に応用されており,本文ではこのlocal clearance法について述べることとする。
本法においては測定条件(室温,安静時間など),測定部位,isotopeの種類,負荷方法により正常値が異なることに注意しなければならない。検査前の安静時間は通常10〜30分を要する。室温はできるだけ一定とし,騒音を避け無風がよい。また検査前にその方法,目的を被検者によく理解させ,正しい方法で検査できるよう協力をもとめることも必要である。注射時のlocal traumaを少なくするためには,注射針を用いるべきであり,また注射液量は少ない程よい。
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