Japanese
English
脳の生理に関するシンポジウム 電気的現象を中心に
神経細胞の電気活動
Electrical Activities of Nerve Cells
荒木 辰之助
1
Tatsunosuke Araki
1
1京都大学医学部生理学教室
1Depantment of Physiology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.77-92
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901572
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最近微小電極を単一の細胞内に刺入してその細胞内電位を記録する方法が可能となり,ヤリイカの巨大神経線維ばじめ骨格筋,心筋等種々の組織細胞に適用され,目覚しい業績が挙げられている。中枢内の神経細胞についてけ,Ecclesが逸早く猫の脊髄前角単一運動ノイロンに於てこの方法を試み,周知の如く既に幾多の研究結果が続々と発表されている。そして之迄の外部誘導で見出され得なかつた幾多の新知見,父新しい解釈方法がもたらされた。我々の教室に於ても細胞内電極による研究方法が中枢神経に適用され得ることに注目し,主として蟇の脊髄前角運動ノイロンについて今日迄研究を行つて来た。傍ら猫の脊髄に於てEcclesの研究の追試を行い,蟇と猫の脊髄運動ノイロンの活動様式の共通な点,又両者の相違点が見出された。以下細胞内電極による蟇の脊髄運動ノイロンの活動様式について,Ecclesの猫のdataと適宜比較検討しながら述べてゆくことにする。
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