Japanese
English
脳の生理に関するシンポジウム 脳の外科を中心に
片側性脳性小児麻痺に対する大脳半球剔除について
Cerebral Hemispherectomy for Infantile Hemiplegia
西本 詮
1
Akira Nishimoto
1
1岡山大学陣内外科教室
1Dept.of Surgery (Jinnai),Univ. of Okayama, School of Medicine
pp.10-18
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901563
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荒廃せる神経組織が種々の有害な影響を及ぼすことは,古くから認められ,またこれら有害な組織を除去することも古くより行われて来たところであつて,例えば末梢神経における切断神経腫や,外傷性癲癇における脳瘢痕組織除去の手術等がそれである。最近は,その病変の大きさに応じ中枢神経系に対する手術的侵襲も次第に大きなものが試みられるようになつて来た。すなわち大脳においては大脳半球剔除術であり脊髄においては脊髄剔除術である。
大脳半球剔除術を最初に行つたのはDandyであり彼は1923年gliomaの患者に右大脳半球を剔除しているが,その後文献に記載されたものを集めると現在までに60例以上を数えることが出来る。このほか報告されていない症例は相当数に達していると考えられ,例えばペンシルヴアニア大学のGrant教授のところではいつ行つて見ても,2〜3例の半球剔除患者が入院していると云う状態であつたし,其後私が欧州各地の脳神経外科を見学した際も大脳半球剔除患者を発見するのは決して困難ではなかつたからである。
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