脳の生理に関するシンポジウム 脳の外科を中心に
討論Ⅰ.
荒木 千里
pp.18-21
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901564
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喜多村 残存脳の組織学的な変性を検査してあるか,健側において術前術後の神経学的な変化はなかつたか,私のpedunculotomyの経験では術後約1ヵ月で健側にtremorが出てきた例がある。術後の後療法としてマッサージ,他動的な運動の強制等があるが,これはどうしたか,以前Walkerの方法でPyramidenbahnを切つたときも結果はみじめであつたが,これなど後療法で大分違つた結果になつたのではないかと思つているので尋ねる。
植木 術前健側が全く健全であつたかどうか確実なことは云えないが,少くも臨床上positiveな病的所見はなかつた。一側EEGで徐波及びspikeのみられたものがあつたが,これはのちにテンカンの発作がでた。また他の側で手術がうまくゆかずtremorの出たのがあるこれは脳幹の影響が大きかつたと思われる。後療法はFamilienにactiveに動かさすよう命じてあるがなかなかいうことを聞かぬのでうまく行つてない。
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