Japanese
English
特集 代謝障害と神経疾患・2
神経疾患とカリウム代謝
Disorders of nervous Systesm and Potassium metabolism
豊田 正輝
1
,
湯浅 恭一
1
,
小住 喜久代
1
,
米田 政彌
1
Masateru Toyoda
1
,
Kyoichi Yuasa
1
,
Kikuyo Ozumi
1
,
Masaya Yoneta
1
1東邦大学第一内科
1Toho Univ. School of medicine The Ist Medical Clinic
pp.22-34
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901539
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緒言
神経化学の業績に就いては1901年Thudicumの脳リポイドに関する研究1)を持つて嚆矢とする比較的新らしい学問の領域である。其の後も断片的に二三の研究報告が見られるが,いずれも学問的興味にとどまり,且つ筋肉系に於けるEmbden及びMeyerhofの輝かしい業績に比し全く微々たるもので臨床的実用的意義は殆んど認められなかつた。
最近になり中枢並びに末稍神経に関する基礎的な生化学的研究報告が次第に集められ,基礎面に就いてはElliott,Page,Questelに依る"Neurochemistry"2)の発刊を始めとして,臨床面に於てもMerrit,Hareに依る"Metabolic and toxicdiseases of nervous System"3)及びAdams,Denny-Brown,Peasonのら‘Diseases of muscle"4)等神経化学に関する著書が相次いで出版されて来た。又吾国でも1954年神経化学班の結成と共に"神経化学5)"と云う専門書が発刊され未開分野への開拓がようやく軌道に乗ろうとしている。併し乍ら臨床面殊に神経病学に於ける生化学的知見は現在も猶極めて僅かなもので,共の骨子をなしているのは形態学的生理学的知見と此れに基づく症候学である。
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