実験法
米国管見旅行をかえりみて(3)
冲中 重雄
1
S. Okinaka
1
1東京大学
1Tokyo University
pp.203-207
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901535
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New Yorkでの見学談は大体以上で終りたいと思うが,一つCombined Clinical Conferenceの模様をのべておかう。やはりProf. Loebに案内されてPresbytarian Hospitalの階段教室へいくと,重に各教室からのDoctorが白衣をきて集まつており,学生も混じ,前列には各方面の教授連が座している。演者は中堅所の研究者で演題はElectrolyteとKidneyとの関係についてのへられ,次に,Fanconi-syndromeの例について講演があった。Fanconi-syndromeは御承知と思うがphosphaturia,aminoaciduria,その他glucose,bicarbonate,pottasium等が尿に排泄され,骨の変化,アチドージス,脱水その他の症状が見られる。先天的腎細尿管の変化により,再吸収機転,その他代謝異常のおこる疾患である。このやうな話のあとで,聴者の中から発言があり,Prof. 連も適宜発言して時間がくるとさつと終えてしまう。症例を見せて供覧し,各人の意見を徴する場合もある。このやうなConferenceがやたらと沢山あつて,若いDr. や学生の教育をしているわけである。即ち,前にものへたやうに上級の医学生は,Bedsideや又外来患者でも直接責任をもち,又以上のやうな各種のConferenceに出席して,臨床の教育をうけていくのである。
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