巻頭言
管見
岡田 敬蔵
1
1前都立松沢病院
pp.794-795
発行日 1980年8月15日
Published Date 1980/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203131
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数年来,精神医学領域の諸学会が,再び各地において,盛んに開かれるようになった。自分は,そのうちの二,三の学会に参加するだけであるけれども,地みちな実験的研究や医療の実践を通しての研究発表を落付いて聴けるようになったことはうれしいことである。また,特に,若い人たちが熱心に討議などに参加していることは,心強く,すでに数年前に還暦をすぎてしまった私も,新鮮な刺激を強く受けることが,しばしばである。
また,専門機関紙や専門雑誌の発行されることも多くなり,内容も充実してきて,自分の不勉強のほどを痛感させられ通しである。なかでも,急激に進歩してきた生理学,生化学,分子生物学など関連する科学分野の,新しい技術を用いての研究などは,正直のところ,私には全く歯がたたないと,ただ,いたずらに慨嘆するばかりである。しかし,このような方向を攻めていけば,なにか,はっきりしてくるのではないか,望みがあるのではないかと,漠然ながら,私のようなものにも,わかるような気がすることもある。
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