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緒言
脳神経の麻痺や感覚運動系の疾患は,人の基本的生活手段を奪い,日常生活の利便性を大きく減退させる。本研究は,四肢運動困難者の運動機能の再建に資することを目的として,運動意図推定のための感覚運動系の解明および機能再建スキームの構築を試みてきた。近年では,運動意図と同期した運動補助,特に,ロボット技術を用いたパワーアシストや電気刺激による筋活動の誘発などの研究が盛んに行われており,多くの成果が報告されつつある。国内でも運動意図抽出のためのブレイン・マシン・インターフェース(brain-machine interface:BMI)や生体信号処理の研究が注目されつつあり,ニューロリハビリテーションへの応用に期待が集まっている。
本論文では,われわれのチームが開発してきた運動意図抽出と運動制御の方法1,2,17)に基づき,これらをリハビリテーションに応用した効果を中心に,その成果を述べる。人と機械の相互適応系を対象とする工学的アプローチでは,人の感覚運動系に適合する計測・制御システムを構築することを主目的として入力型BMIの技術開発を行ってきた(Fig.1)。歩行運動の補助に対しては,反射運動を利用した脚の振り上げ運動の誘発を実現する電気刺激装置を開発し,以下にその効果を示す。以降,第Ⅰ章には国内外の関連する研究動向について示し,第Ⅱ~Ⅴ章に電気刺激装置を用いた反射運動の誘発法とこれを用いた歩行補助の実験,および,慣れによる刺激効果の低下への対策に関する成果について記述する。
Abstract
This paper is a summary of the biofeedback technology for the reflex electrical stimulation device to assist walking. The experiments showed that electrical stimulation resulted in prominent stimulation with less habituation. The research elements were an input-type brain machine interface (BMI),functional magnetic resonance imaging (f-MRI) analysis to detect brain activity,multi-channel electrical stimulation,reflex stimulation for muscle contraction,and an adaptive rehabilitation fitting to the walking gate. The results showed that neuro rehabilitation may be attained by the integration of these research elements.
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