Japanese
English
実験法
機械的現象の描記法
Recording Technique of Mechanical Changes
眞島 英信
1
Hidenobu Mashima
1
1順天堂大学生理学教室
1Dept. of Phisiology, Faculty of Medicine,Juntendo Univ.
pp.179-191
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901533
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まえがき
神経研究においては電気的な方法,すなわち静止電位や活動電位を描記する方法は最も重要なものの1つであるから,本書の読者は一応その方面の知識を持つておられるのであるが,機械的な動きや張力を描記する段になると2の足を踏まれる方もあろうと考えられる。神経は動かないから機械的な方法は直接必要がないようであるが,電気的な方法が進歩していろいろな部位からの活動電位が誘導されるようになればなる程,それらの活動電位とそれが効果器に至つて実際にどのような効果を現わしたかを同時に描記したいという要求も強くなつてくる。効果器が筋肉である場合は結局動きや張力として捕えなければならない。つまり電気的現象と機械的現象とを同時記録したいという要求は今後ますます強くなると考えられるのてある。例えば周知のごとくSherrington等はtorsion myographと煤紙とを駆使して中枢神経系特に脊髄反射に関する見事な実験を行つているが,現在では神経衝撃やslow potentialの分析が急速に発達しており,前柱の運動神経細胞の電位変化の如きはCoombs等1)によつてほとんど余すところなく研究されている。今後の問題はこれらの電気的現象と機械的な現象例えばある関節が実際どちらへ動くかとか,拮抗筋の緊張はどのようにバランスしているかとかいうようなこととの関係を同時に観察することが重要となるだろう。
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