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老人斑アミロイドの構成成分であるAmyloidβprotein 40(Aβ40)とAβ42は,脳,脳脊髄液(cerebrospinal fluid:CSF),血液に存在する生理的ペプチドである。CSF Aβ40とAβ42(43)の濃度は,正常加齢ではU-字型の年齢に依存した変化を示す。正常加齢で60歳以上にみられるAβ42(43)の自然増加が,アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)では抑制されている。ADにおけるこの特異的なCSF Aβ42(43)の変化が,AD脳におけるAβ蓄積と関連しており,ADの診断マーカーとしてのCSF Aβ40とAβ42の意義の生物学的な根拠である。多施設共同研究GTT2では,CSF Aβ40/Aβ42(43)の比であるAβratioで,非AD型痴呆患者と正常対象と比べて,診断感度は59%,特異性は88%であった。Aβratio値は早期から進行期のADで上昇していた。CSFtauとAβratioを組み合わせると,診断感度は81%,特異性は87%であった。以上のことからCSF tauとAβratio測定の再現性は,ADの生物学的マーカーとして十分であり,今後の臨床応用が期待される。
Amyloid β protein 40 (Aβ40) and 42 Aβ42, major components of senile plaque amyloids, are physiological peptides present in the brain, cerebrospinal fluid (CSF) and plasma. The levels of CSF Aβ40 and Aβ42 (43) show a U-shaped natural course in normal aging. The increase of Aβ42 (43) over 60 years of age is inhibited in Alzheimer's disease (AD). This specific alteration of CSF Aβ42 (43) correlates with Aβ deposits in the AD brain providing a biological basis for a biomarker of AD.
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