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悪性脳腫瘍の治療での放射線治療の役割はきわめて重要であるが脳腫瘍の術中組織内照射に関してはその方法論は限られている。PRS(Photon Radiosurgery System)は携帯可能な小線源軟X線照射装置のことで,従来の定位的手術装置に装着でき,また術中組織内照射も可能である。照射されるX線は,半径1.5cmの部位で周辺線量15 Gyを約20分で得られ,周囲脳組織への影響も少ない。1995年6月より2000年12月までに95例の症例に104回のPRSによる術中に腫瘍組織内照射を施行した。神経膠腫73例,転移性脳腫瘍11例,悪性リンパ腫5例などである。現在まで7例に再手術を行い,初回手術時の組織と治療後の組織について病理組織学的検索を行い比較検討した。悪性星細胞腫は5例,膠芽腫2例である。悪性星細胞腫の再手術時の腫瘍細胞のMIB-1値は初回より低下していた。星細胞腫で膠芽腫に悪性転化している症例はみられなかった。膠芽腫の1例が高い増殖能を維持したが,その他は石灰化,壊死,血管の硝子化をきたし増殖能も低下していた。PRSを用いた大量照射後の再手術症例では大部分は腫瘍増殖抑制像を呈し,放射線による腫瘍壊死像と考えられた。このPRS装置は特別な放射線遮蔽が不要であり,安全に通常の手術室または外来処置室などで病巣への照射が可能である。
The prognosis for patients with malignant gliomas remains dismal despite aggressive treatment with surgery, radiotherapy, and chemotherapy.
A vast majority of patients will have some component of local treatment failure even when gross-total resection is followed by a standard irradiation of 60 Gy.
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