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モーフィングにより2枚の顔写真から作成した10段階の中間顔を用いて,正常人および相貌失認患者の相貌弁別力を定量的に比較した。類似性判断課題では,正常人では平均35%変化した中間顔までは正しく弁別でき,その判断精度は高い値を示した。相貌失認患者では正しく弁別できる範囲は正常人よりはるかに狭く,判断精度が低いことが示された。しかし二つの相貌の区別がまったくつかないと訴える重度の相貌失認患者においても,いずれかの顔に近い中間顔ほど正しく弁別する傾向がみられた。これは従来の相貌認知検査では分からなかったことである。さらに既知性判断を伴う異同判断課題では,正常人では未知相貌同士および既知相貌同士の弁別は既知相貌と未知相貌の弁別より困難さを示したが,相貌失認患者ではこの傾向がみられず,弁別力への既知性の影響も正常人より低下していると考えられた。
This research designed a new method of face recognition test to assess prosopagnosic patients. The test was based on the normal mechanism of face recognition and also assumed that prosopagnosia can be described in terms of the deterioration of normal processes. Subjects were 40 normal volunteers in four groups (old male and old female, young male and young female), two prosopagnosic patients with bilateral occipital infarctions, and two non-prosopagnosic patients with left occipital infarctions.
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