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特集 第33回脳のシンポジウム
開会の辞 地域から分子へ,分子から地域へ―第33回脳のシンポジウムの序にかえて
Opening address: From practical to molecular medicine and from molecular to practical medicine.
中村 重信
1
Shigenobu NAKAMURA
1
1広島大学医学部第三内科
1Third Department of Internal Medicine, Hiroshima University School of Medicine
pp.877
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900898
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- Abstract 文献概要
小脳症状を主体とし,緩徐に進行する遺伝性脊髄小脳変性症が広島大学より1975年に報告された1)。その後,上下方向の眼振を特徴とする同様の疾患が広島地区には多数みられていた。1997年,当疾患が電位依存性CaチャネルのCAGリピートの伸長が原因で起こることが明らかにされた2)。遺伝子診断により明らかにされた本症(SCA6)60例について検索したところ,正常染色体のCAGリピートが6-17であるのに対し,異常染色体では21-30で,両者の重なりはなかった3)。CAGリピート数が多いほど発症年齢が若く,ホモ接合体では同じCAGリピート数を持つ他のSCA6患者よりも若年で発症した。世代間で症状の表現促進現象がみられたが,CAGリピート数の伸長を示したのは8例中1例のみであった。
CAGリピートの伸長を示すSCA6例では小脳虫部,小脳皮質の面積が狭く,橋前後径や中小脳脚径,赤核径も軽度に低下していることがMRIの画面上で示された4)。
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