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特集 第31回脳のシンポジウム
脳血管―構造と機能
脳血管の神経支配―機能的立場より(抄録)
Innervation of cerebral blood vessel: Functional aspects
戸田 昇
1
Noboru TODA
1
1滋賀医科大学薬理学教室
1Department of Pharmacology, Shiga University of Medical Sciences
pp.983-984
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900806
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脳動脈の神経支配については,組織学的にはその多様性が古くより知られていた。すなわち,ノルアドレナリンやコリンエステラーゼを含有するアドレナリン作動性およびコリン作動性神経をはじめ,種々のペプチドを含む神経(サブスタンスP,血管作動性腸管ペプチド=VIP,カルシトニン遺伝子関連ペプチド=CGRPなど)などの存在である。しかし,これらの神経の機能的役割については,アドレナリン作動性神経が血管収縮をもたらす以外明らかにされなかった。
われわれは,イヌより摘出した脳動脈にニコチンを適用したさい神経刺激による弛緩反応を観察し,その機序を解析した結果一酸化窒素(NO)を神経伝達物質とする脳血管拡張性神経の存在を明らかにした1-3)。その後,同神経支配はサル4)やヒト5)においても認められること,イヌの同神経は生体位の脳動脈においても拡張性に働いていることを認めた6)。
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