交見室
精巣の血管支配と手術,他
一條 貞敏
1
1福島県立医科大学
pp.356-358
発行日 1992年4月20日
Published Date 1992/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900582
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本誌のシリーズ,佐藤達夫教授の「泌尿器手術に必要な局所解剖」は大変ためになり,毎号楽しみにしている.45巻12号は精巣の血管支配についてであった.筆者もかつてこの面を検索したことがあり(日泌尿会誌60:304-312,1969),本講座には殊更興味をひかれた.ここに往時の知見を少しく追加しながら,手術との係わりを述べてみたい.
精巣動脈は1〜数本の主動脈として精巣に達したのち,精巣上体の内側白膜直下を下降する.下極付近まで下降したところで方向を変え,前方,後上方へと精巣を取巻く.この間,縦隔に向かい多数分枝する.したがって,精巣は外側より内側,上極より下極側,後方より前方がより近位となる.この走行は主動脈の数で多少異なるが,走行原則には変わりがない.
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