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はじめに
L-グルタミン酸は中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質として知られているが,興奮毒性(excitotoxicity)という概念で表わされるように,グルタミン酸とその類似物質は神経興奮とともに神経細胞障害作用を併せもつことが明らかにされた30,41,42,43)。さらに,興奮性アミノ酸が種々の脳神経疾患(てんかん,脳虚血発作による脳障害,ハンチントン舞踏病などの変性疾患)の原因の一つとして考えられている8)。このグルタミン酸毒性において,N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA),カイニン酸,α-アミノ-3-ハイドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾール-プロピオン酸(AMPA)受容体を介する研究は非常によく知られている8,9,35)。
最近になって,新たに,アミノ酸交換輸送系(xc系)を介するグルタミン酸毒性の存在が中枢神経系の一部のニューロンがグリア細胞において明らかにされてきた7,23,24,37,38,40)。このxc交換輸送系は,シスチンとグルタミン酸のみを輸送基質とし,Na+非依存性の完全な交換輸送系であり,細胞内のグルタミン酸を放出し代わりに細胞内にシスチンを取り込む。この取り込まれたシスチンは細胞内でシステインに還元されグルタチオン(GSH)合成に利用される1,2)。
We recently demonstrated that the continuous exposure of L-glutamate induced delayed-type cell death in C6 glioma cells, because of the inhibition of cystine uptake through cystine/glutamate antiporter (XC) system. The inhibition of cystine uptake leads to glutathione (GSH) depletion, finally resulting in cell death by oxidative stress.
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