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脳は固い頭蓋骨の中に納められており,そのため全脳の血流は,狭い範囲内に安定に維持されている。脳の局所の血流については,脳局所のニューロンが活動してグルコース代謝が増加すると,その部位の血流が増加することが知られている。たとえばIngvar(1976)は,話す,読む,手を動かす,思考するなどの身体的あるいは精神的な活動により,大脳皮質の局所血流が増加することを報告している。脳血流の自動調節の維持に自律神経が関与するとの考えもあるが(Gotoh etal,1971/1972),脳局所血流は,一般に脳局所組織の代謝産物により調節されると考えられてきている。しかし組織学的研究により,脳血管にはノルアドレナリン,アセチルコリン,セロトニンや神経ペプチドを含む神経が多数分布することが証明され(Edvinsson et al,1987),脳の局所血流の調節にこれらの神経も重要な役割を果たしていると考えられるようになってきた。
Local metabolites have long been considered to play an important physiological role in regulating regional cerebral blood flow (rCBF). However, the evidence reviewed here emphasizes that the regulation of rCBF by central cholinergic nerves is independent of regional metabolism. Activation of the intracranial cholinergic fibers originating in the nucleus basalis of Meynert (NBM) releases acetylcholine in the cortex, which results in vasodilation and an increase in rCBF in the cortex.
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